Mymed:origin

あまりに無邪気な笑顔に僕は

「あ、起きたんだね」
「…………?誰?」

 僕が遼太郎の前で寝ていたのは、出会った時、僕の家の縁側でしかない。

「僕、西条遼太郎」
「……僕は、甚雨淳之助」

 これが僕らの出会い。
 古い友人である僕の父を訪ね、遼太郎の父親が遼太郎を連れてやってきた。

「リョータって呼んでいい?」
「うん」
「僕はジュンって呼んでね」
「うん」
「リョータは、何して遊びたい?」
「……何でもいい」
「じゃあ、竹馬は?」
「たけうま?って何?」

 遼太郎は子供らしいことが一つもなく、子供らしいことを一つも知らなかった。箱入りというには、突き放されすぎているようだった。
 僕が守らなきゃいけないし、僕が教えなきゃいけない。
 何故かそう思った。
 遼太郎はかわいかった。
 もちろん何か弱そうで小さくて放っておけない、弟のようだってだけで、他意はない。僕には。